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第25回「佐藤栄作賞」受賞者インタビュー


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最 優秀賞受賞者 Fraukje Idzenga さん



論文題目 COMBATING POVERTY BY RE-EMPOWERING THE STATE
 The role of the UN in strengthening state authority and legitimacy in African countries



私 は2000年にアフリカの最も貧しい国の一つであるブルキナファソに住む従姉を訪ねました。彼女はそこで、オランダのオックスファムという貧困を廃絶する ための組織で働いています。私は4週間ブルキナファソやその首都ワガドゥグーを旅行しました。自身の目で見たそこでの貧困の有様は、私の世界に対する視点 やオランダに戻った際の自身の生活そのものに変化をもたらしました。

し かしその中で、私が最も感銘を受けたのは、彼らの直面する貧困問題ではなく、彼らの絶えない笑顔、そして可能な限り他人を助けようという姿勢でありまし た。その中でも特に、ある田舎の小さな村では家屋があるのみで、ほかには何もなかったのですが、彼らは私が今まで見た人々の中で一番幸せそうに見えまし た。彼らブルキナファソ人たちは比較的幸福そうに見えましたが、彼らと同じ境遇でも、地方によっては全く異なって見える人々も存在するのです。         

私 がこの論文コンテストについて早稲田大学の教授からお話を伺ったとき、自身の視点をアフリカの貧困問題の解決のために役立てたい、と強く思いました。生ま れながらにして(経済的な)特権を持ち、今日繁栄している諸国は、過去にアフリカ大陸に植民地事業や自国のみに有利な奴隷貿易を通し、アフリカ大陸へ強い 影響を及ぼした国々です。そこで私はアフリカの貧困問題について学術的に論じなくては、という強い責任感を覚えました。       

国 際関係学専攻していることで、私の意識は無意識的に、国家がいかに貧困を抑制するかという問題に焦点が当てられています。私は様々な学術論文や貧困問題に 関する専門家の著書を読みましたが、私の直感は文献を読む度に立証されていきました。それは、貧困はとても複雑で多次元的な問題であり、様々な分野で行動 することが必要であり、(私の見解において)これらの行動をおこすことができる主体は国家だけである、ということです。

貧困問題の解決は、強力で有効的であり、しかも安定的で安全な国内整備を行う政府の存在なしには上手く作用しません。このような国家を創出するため には、国の管轄領域の整備や人口問題に関する合法性は不可欠です。また、国全体への絶対的支配権なしには、どんな貧困問題の解決へ向けた戦略の実行は不可 能であります。加え、それらの正当性が無くては、世論の信頼や国の発展可能性の上に結ばれる相互関与は築かれることもありません。 

で すから、私は、アフリカにおいて権力と合法性を強固にするための国連専門機関のあり方について議論を進めました。この経済的、技術的に発展した時代でも、 3億2000万人のアフリカの人々は、日々生きるために苦闘しています。私たちは、そんな彼らに安全で、かつ安定した環境を与える必要があります。それに より彼らは、自身で自国を建て直し、そして、自らの手により貧困を根絶できるのです。

日本語仮訳: 佐野藍沙(国連大学ライブラリー・ボランティア)






5 December 2009


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