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 環境と持続可能な開発プログラム(ESD)  

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ESD

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メッセージ ― ESDの研究と活動のご紹介

環境と持続可能な開発プログラムは、平和と統治に関するプログラムと並び、国連大学の2つのプログラムのひとつである。

人間活動は、基本的に地球の持つ限界の範囲内で営まれなければならない。そのバランスが崩れ、人間活動が過大になったとき、環境問題が起きる。

地球には、(1)地下資源供給の限界(2)生態系の限界の2種類の限界が存在している。前者は枯渇性資源であるために、いずれは枯渇するが、現時点でもっとも可能性が高いものが、従来型の石油資源の枯渇であろう。少なくとも、石油生産はまもなくピークとなり、その後、徐々に減少していくものと考えられる。

後者の限界は、地球に到達している太陽エネルギーの量によって規定される限界である。この限界は、生態系の環境処理能力の限界、再生可能資源供給の限界、といった2種類の形を取る。

汚染型環境問題は、生態系がもともと持っている汚染処理能力を超すと発生する。再生可能資源、例えば、森林は、生態系の再生能力の限界を超した伐採によって発生する。

これらの環境問題と、発展とは重大な関係をもっている。これまで発展と言えば経済発展を意味し、産業革命以来、経済発展は、消費によって成し遂げられてきたため、ややもすると、生態系の限界を超すことがしばしばあった。1960年代の日本における産業公害は、まさにその悪い見本である。

経済発展は、しばしば類型的な経路を経ることが知られている。そのため、日本における産業公害と同様の環境問題が途上国において発生する可能性が無いとは言えない。そのためには、産業活動の拡大と同時に環境技術を適切に導入する必要がある。

もう一つの限界である地下資源の枯渇は、主として先進諸国に責任がある。経済発展には、地下資源の消費、特に、エネルギー資源の使用は必要不可欠である。先進国は、世界平均のエネルギー使用量に比較して、数倍のエネルギーを消費している。先進国は、資源・エネルギー消費を極限まで減らした経済システムへの転換を図らなければならない。

環境および持続可能な発展に関わる問題とは、地球と人類とが如何に共存するかという問題である。このところ、地球の気候は、地球温暖化の影響かどうかはさだかではないものの、変動期に入ったようである。また、未曾有の地震・津波災害も起きた。自然災害による人命の損失の規模は、しばしば、通常の環境問題による損失を上回る。さらに、SARSあるいは鳥インフルエンザといった感染症も重大な影響を与える可能性を秘めている。

国連大学のESDプログラムは、上述のような基本的な認識に基づき、現在次の4つの広範なテーマを決めている。

(1)天然資源の管理
(2)水の危機と災害
(3)地球全体の環境ガバナンスと環境情報
(4)持続可能な都市と産業

これらのテーマについて、世界学術機関との国際的な連携により、国連組織におけるシンクタンク的機能を果たし、そして、革新的なアイディアを生み出すための仕組みを作り上げ、そして、得られた知識を用いて、途上国を中心とした能力開発を行うものである。

 


     



2008年1月8日

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